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2017 / 12 / 03
硫黄島での声 「太陽」「風」「雨」「島」…そして「猫」その5
いました!
島猫
こいつがボス。
この企画、真の依頼主はこの方。
半年前にお願いされまして、
お願いしま〜ス!
お願いしま〜ス!
もう、2つ返事でご返答申し上げたのが、半年前。
最後に、この島に生きとし生けるものを紹介します。
まず、この島。
生きてます。呼吸しています。
いまでも島は大きくなっていて、浜の形もどんどん変わっていくそうです。
生きている=変化すること
ついにボスに会えました。
他の皆様にも….
私が空輸したキャットフードを食べて頂けたときの感動…..
内地の猫とはどこか風貌が違います。
黒ちゃんはご飯食べて満足すると……
ガリガリガリガリ
爪とぎは椰子の木でございます。
そこここにいらっしゃいます。
夜も会いに。
真っ暗なので、懐中電灯持って参ります。
こんばんは〜。
恍惚とも言える表情。
隊員の方が首つかまえると、かーちゃんに運んでもらった時のことを
思い出してしまうらしく、ずっと気持ちよさそうにこのまんま。
なぜ、こんなになついているのだ!
島では仔猫も生まれています。
かーちゃん、食べてます!
夏にはまだこんなに小さかった仔猫が…..
こんなに大きくなりました。
他にも島にはなぜか増えていく鶏。烏骨鶏です。
かーちゃんと雛はやっぱり同じ色なのですね。
朝、時告げ鳥を聞いたのは何年ぶりだろう…..
これら猫も鶏もどこから来たのかわからないそうです。
もともといたのかしら、それとも船に乗っかって来ちゃったのか…….
資料館でみつけた写真。
確かにこの子たちも命のリレーを繋いでいるのですね。
いました、白鳥も。
島猫夜のご飯時に懐中電灯と申しましたが、
島の夜は真っ暗です。
3日間、この島で過ごしていると、気がついたことがあります。
夜にはネオンはもちろん、強烈な光で見せつけられる液晶の画面も、車のヘッドライトもありません。
昼も、何かが違うと思って気がついた!
建物に文字一つない、看板も無い。
つまりは、目からくる情報が最低限度だということに。
私は、なんだか自分が快気していく気がしたのです。
いえ、こうやって戻ってきた今日も、何かめぐるエネルギーを
感じます。
生き返らせてもらったのかもしれないなあ…….
我々は、これからどこに向かっているのだろう…..
夜は、真っ暗の闇の中でみる、満天の星空を観に行きました。
天の川が見えたし、流れ星みた楽団員も。齢54歳の同級生5人は
いつもまでもいつまでも寝っ転がって星を見つめていました。
小笠原諸島の火山列島に属する硫黄島、小笠原諸島は2010年に世界遺産に登録されました。
けれども、この島はならなかった。なぜなら戦争で生態系が崩れてしまったからだそうです。
島を覆うように生息している銀ネムの木は、
当時散乱していた兵士たちの遺体を隠すために
アメリカ軍が上空から繁殖力のある銀ネムの種を撒いたそうです。
運命の硫黄島の自然は、外来種と混合し、独自のものになりました。
とてもじゃないけど写真に撮れなかった、大やけどをおった島猫みーちゃんに会いました。
ベロリと左側の皮が剥けていて、車に巻き込まれてしまったらしい。
みーちゃんは動けないので、朝ごはんを持って参りましたが、
そこで出会った遺骨収容のヴォランティアの方とおしゃべりしました。
お父様が戦時中ミャンマーで亡くなられたそうです。今もこうして毎年4回、硫黄島に遺骨収容に
訪れていらっしゃるそうです。
遺骨は「柱」と数えます。ご一体とは数えられないからか…..
その方の風貌から年齢を想像するに、
お父様が亡くなられた時は、きっとまだ小さかったと思います。
一家の大黒柱を無くされたご家族の戦後はどんなだったのでしょうか。
懸命に食べているミーちゃんの、焼けてむき出しになった赤い肉をみていると、
前日に行った医務科壕の暑さを思い出し、
こうやって、島猫は寡黙に何かを教えてくれているのかもしれません。
隊員たちの方や、遺骨収容のヴォランティアの方たちに優しくしてもらって、島猫たちはほんとに幸せそうでした。
最後に、歌詞がなかなか覚えられなかった硫黄島基地隊の「硫黄の島」
言語とイメージを合致させるとすぐに頭に入ります。
これが最後にはこうなりました!
ここに来るために最初があったのだなあと思います。
あらためて、お世話になった皆様に感謝を述べると共に、
手を合わせて合掌します。
~硫黄の島~ 作詞作曲:自衛隊のどなたかが作ったそうです。
擂鉢の山から見下ろせば
どこまでも続く、海原と
豊かに映える、緑たち
今も眠る侍の魂だけが残る島
天の山で両手を合わせれば、今の幸せ心に沁みる
天に召された人たちよ、遠い遠い空の上
平和な国を見守りたまえ
*硫黄の島よ 俺たちに何を語りかけるのか
硫黄の島よ 故郷はあなたの心にありますか
鎮魂の丘に咲いている、色とりどりの花びらが
風吹かれて、ゆれている
明日の希望を忘れずに、強く静かに咲いている
夏の夜空は万華鏡 南に輝く十字星
夜に目覚める満開の月下の美人が微笑みを
*繰り返し
この島で育った人々よ 戦が終わったそのあとも、
あなたの故郷はここにある
まぶたを閉じれば蘇る 心の奥に思い出を
硫黄の島よ 俺たちに何を語りかけるのか
硫黄の島よ 故郷はあなたの心に今もある
硫黄の島よ 安らかに