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2018 / 05 / 28
studio unseen 長期クラス開催にあたって。演劇の身体と声
私たち日本人の表現はこれからどこに向かおうとしているのでしょうか?
21世紀も5分の1が過ぎようとしている今、
いわゆる西洋スタイルの演劇、海外からのミュージカルは日常のどこにでもある状態になっています。2007年より、ステラ・アドラー演劇、リンクレイターヴォイスの長期クラスを継続しています。
また、大学、宝塚歌劇団、東宝ミュージカルアカデミーなど、様々な生徒に触れ、
その変化を起こす過程は、演劇を網羅しつつ、大きな人間学としか言いようがありません。ここでは、いわゆる対面してシーンを行うということは、演劇基本クラスの最後に行います。
受講者は身体と声が十分に活性化され、余計なことをしないで、場と気を調和出来ることを会得し、
同時に、戯曲を解釈し深いレベルで作者の世界に触れて体現していきます。そして礼節です。身体と心の気を高めることは、舞台上の居方を決めるもので、
それはかつての日本では日常の動作や作法にありました。スタニスラフスキーを学び、ステラ・アドラー演劇を訓練し、リンクレイターヴォイスを習得し、しかし、大切なことはいわゆるメソッドを盲信するだけではなく、私達は母国語が日本語であるかぎりは、日本語での表現をいい加減にしてはいけないのです。私はそれにこの11年の歩みの中で気づき、studio unseen での演劇クラスはより、身体、声、気を重視して行きます。
21世紀、インターネットの普及や携帯での簡単な記号によるやり取りの流れ、
それをを止めることは出来ません。変化なのですから。
しかし、私達表現者は今一度、人間を、そこに大きく影響している言語と文化にも意識を持ち、
エクササイズの意味を理解して学ぶことが必須なのです。studio unseen 主宰 登坂倫子