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2017 / 09 / 12
ステラ・アドラー演劇&リンクレイターヴォイス、長期クラスレポートです。
登坂倫子主催のstudio unseen では、2つの長期クラスを柱として様々な学びの場が行われています。
リンクレイターヴォイス基本長期クラスは、2017年5月にスタートして、身体の認識、呼吸の認識、原初的な自分自身の音の触覚化、ハミング、リリース、そして様々な身体の部位にそれを共鳴させてゆく作業を経て、
9月より「顎」のワークに入りました。
具体的な解剖学の知識から、顎とは上顎と下顎の2つから形成されて、それは顎関節で繋がっています。
多くの声を仕事としている人も、この顎の関節の正確な動きを無視して、自分の思い込みや、
過去の指導者に言われたことに囚われて、口の前面のみを動かそうとしています。結果、口の後方のスペースを狭くしてしまう。
それを、今一度、正式な動き方を理解し、スペースを体感させてゆく作業から始めます。顎は緩めて下に落としていきます。口の後方のスペースが出来るのです。
声を自由にするには、まず呼吸が自由でなくてはなりません。しかし、多くの人が無意識下で顎で呼吸を
封じています。講師のエクササイズと共に、「顎と呼吸は無関係なのだ!」「私の呼吸は自由なのだ」と、生徒は意志(thought)を根気よく送り続け、自由になった呼吸はそのまま音(声)となって、上顎を超えるように飛んで行きます。
毎年、リンクレイターヴォイス長期クラスを教えるにあたって、この「顎」では大きな変化が生徒に訪れます。
今までの積み重ねが、まさに水滴石をも穿つ!溢れんばかりに内面の声が流れ出し、その人自身が声を通して自由になる大きなステップになるポイントです。
クラスは少人数によるグループレッスンなので、お互いにもらう言葉、与える言葉の質も変わってきます。
私自身、指導者として毎回、新しい発見に驚かされるところです。
強固な自己の習慣や思い込みから解き放たれた、その人は、まさに水滴から新生児が現れるようです。生まれたての、感覚も精神も鋭敏な新しいその人自身。そのとき、涙、あくび、汗、エナジー、声、言葉、溢れるもの全てが美しいと感じられる瞬間です。
ステラ・アドラー演劇戯曲解釈&基本テクニーク長期クラス
こちらは、新しい戯曲に入りました。
今回のクラスは女性が多いこともあり、ベス・ヘンリー作「Crime of the Heart」心で犯す罪
を選びました。
その場(place)で、キャラクターがその脚本にある状況下で起こす行動こそに、
リアリティがもたらされます。
しっかりと時間をかけて、戯曲を解釈するところから、始まり、シーンワークにはいります。
このシーンでは、「レモネードを作る」という実に素晴らしい行動が選択されています。
ベイブという女性にとって、「レモネードを作る」という行為(action)は、何なのだろう….
探求は続きます。